「落札したあとに不法占有者がいる場合」競売入札を検討されている方へ

競売物件を落札してから、物件に誰かが不法に占有している場合はどうするべきなのか?
落札後に代金を納付すると、所有権が新しい買主に移転します。それからは、当然新しい買主が使用をすることが出来ます。だが占有者がいて、そのままでは使用できないケースも多いです。占有者に権原がある場合とない場合で、こちらの動きも変わってきます。

・占有者に権原がない場合
一般的には、不法占有者、不法占拠者などと言われるケースです。これは不法行為にあたりますので、立ち退かなければならない立場です。元の所有者が占有して、引渡を拒む例もあります。交渉をおこない、立ち退き料を支払い、退去してくれればまだよいのですが、それでも退去しない場合は、強制立ち退きを行う方法があります。

・強制立ち退き(不動産の引き渡し命令)
民事執行法上、買受人が簡易迅速に、目的物件の引き渡しを受ける事ができる制度が設けられています。これを「不動産の引渡命令制度」と言います。この引渡命令が確定すると、買受人は、民事執行法第168条に基づく、不動産の引渡等の強制執行を申立て執行官に相手の占有を解いてもらい、申立人にその占有を取得させる方法により、不法占拠者を立ち退かせることができます。(※事件の記録上、買受人に対抗することができる権原により、占有していると認められる者に対しては、引渡命令はできない場合もあります)

・引渡命令の要件
申し立ての期間について
買受人は代金納付をしてから、6ヶ月(抵当建物使用者が占有していた建物の買受人にあっては9ヶ月)を経過した時は、引渡命令の申し立てをすることができないとされています。期間経過後は、別途、不動産の引渡請求訴訟をするしかありません。
申立人について
引渡命令の申立人は、代金を納付した買受人です。買受人は、買受不動産を売却するなどして他に譲渡しても、引渡命令を申立てる資格を失わない。買受人のほかに、一般承継人(相続人等)も申立人になることができます。買受人として、引渡命令を申立てる地位も承継するからです。
これに対して、特定承継人(買主等)は、申立人になれません。買受人として、引渡命令を申立てる地位を承継はしないからです。ただし、引渡命令の告知後に特定承継が生じたときは、特定承継人は、承継執行分の付与を受け、引渡命令の執行を申立てることができます。
なお、買受人が目的物件の占有を取得したり、占有者に対して占有権限を付与したりした場合、それ以降は、引渡命令の申立て資格はなくなります。