ゼロゼロ融資の返済期間はいつ?コロナ借り換え保証制度についても解説

「コロナ禍に借りたゼロゼロ融資が返済できそうにない」
2023年7月以降、元金据え置き期間が終了し、こうしたお悩みをお持ちの方が増えているようです。そこで今回は、返済できない時の対処法(コロナ借り換え保証制度・通常の借り換え・リスケジュール・任意売却)を紹介します。

本記事では、ゼロゼロ融資を受けた企業の現状や、これから本格化する返済のことについても詳しく解説していますので、ゼロゼロ融資が返済できずお困りの方は、ぜひご覧ください。

ゼロゼロ融資(コロナ融資)とは?

ゼロゼロ融資とは「新型コロナウイルスの影響を受け、経営が厳しくなった個人事業主や中小企業に実質無利子(借り入れから3年間)・無担保で融資する制度」です。

大きく分けて2つの金融機関(政府系金融機関と民間の金融機関)が融資を担当しており、それぞれ2020年3月と2020年5月に始まりました。 ほとんどの金融機関が新規申し込みを終了していますが、日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」や「新型コロナウイルス対策マル経融資」のように、2023年9月末まで期限を延長しているケースもあります。

この制度が登場したことで、コロナ禍に経営が苦しかった企業も一時的に経営改善し、倒産せずに済みました。しかし、ゼロゼロ融資に限った話ではありませんが、借りたお金は返済しなければなりません。返済しないと金融機関から督促状が送られ、一括返済を求められます。一括返済に応じなければ訴訟に発展し、財産を差し押さえられた挙げ句、競売にかけられてしまうでしょう。最悪の場合、自己破産をせざるを得ない可能性もあります。

このように、ゼロゼロ融資を返済できるかどうかは、その後の企業経営や会社の存続にかかわる死活問題なのです。

コロナ関連融資(ゼロゼロ融資)を借りている企業の割合

コロナ禍で経営が厳しくなった企業の多くがゼロゼロ融資を利用しました。実際、株式会社帝国データバンクが2023年2月に全国2万7,607社(うち有効回答企業数は1万203社)を対象に実施した調査によると、全体の半数近くにあたる49.6%(5,065社)が「現在借りている」と回答しました。なお、「借りていない」「すでに全額返済」「その他/分からない」と回答した企業の割合は、それぞれ44.8%、2.0%、3.6%です。

コロナ関連融資(ゼロゼロ融資)を借りている企業の返済状況

返済状況がわかるデータもあります。先ほどの調査で「借りている」と答えた企業のうち、29.5%が「未返済」、38.7%が「3割未満返済」、12.6%が「3~5割未満返済」、18.7%が「5割以上返済」と回答しました。この調査結果から、これから返済が本格化するということがわかります。

今後の返済に「不安を感じている」企業の割合

先ほどの調査で「借りている」と答えた企業に今後の返済の見通しについて尋ねたところ、「融資条件通り、全額返済できる」「その他・不回答」と回答した企業の割合は、それぞれ85.4%、2.4%でした。一方、「返済に不安」と回答した企業の割合は、半年前に行った同調査と変わらず12.2%でした。 この調査結果からわかるのは、ゼロゼロ融資の返済に「不安を感じている」企業が今でも少なからず存在するということです。

出典:株式会社帝国データバンク 新型コロナ関連融資に関する企業の意識調査(2023年2月)

ゼロゼロ融資(コロナ融資)の返済期間はいつ?

ゼロゼロ融資の返済が「いつ始まり、いつ終わるか」は、企業によって「借りた時期」「貸付期間」「据え置き期間(元金の返済が猶予され、利子だけがかかる期間)」が異なるため、一概に言えません。

たとえば、2020年6月に貸付期間10年、据え置き期間3年で借りた場合、2023年7月に元金の返済がスタートし、返済条件の変更がなければ2030年6月に返済終了を迎えます。しかし、2021年3月に貸付期間15年、据え置き期間5年で借りた場合、2026年4月に元金の返済がスタートし、返済条件の変更がなければ2036年3月に返済終了を迎えます。表でまとめると下記の通りです。

借りた時期貸付期間据え置き期間返済開始時期返済終了時期
2020年6月10年3年2023年7月2030年6月
2021年3月15年5年2026年4月2036年3月

借りた時期によっては既に返済が始まっている

ゼロゼロ融資の据え置き期間を3年に設定した場合、2020年5月に融資を受けた企業は、2023年6月に返済がスタートしますが、2021年3月に融資を受けた企業は、まだ返済が始まっていません。2024年4月から返済がスタートします。この3年間で経営改善できた企業は返済できるかもしれませんが、ゼロゼロ融資を受けてから3年経った今も経営状況がぎりぎりな企業は返済が厳しくなることが予想されます。

ゼロゼロ融資は2023年7月から返済が本格化する

2020年3月に始まったゼロゼロ融資は、2023年5~7月から2024年2~4月にかけて1年弱の間に返済を迎える企業の数がピークに達します。その理由は大きく2つあります。

1つは、次の時期に申し込みが殺到したこと。

  • 2020年3月に政府系金融機関で融資が開始された直後(2020年4~6月にかけて)
  • 民間金融機関での融資が2021年3月31日に終了する直前(2021年1~3月にかけて)

もう1つは、多くの企業が据え置き期間を実質無利子の期間に合わせて3年以内に設定したことです(本当は官民どちらも据え置き期間を最大5年まで選べる)。

返済が開始する企業が多いのはいつ?

ゼロゼロ融資を受けた企業の返済開始時期がわかるデータもあります。

株式会社帝国データバンクが2023年2月に行った調査で「現在借りている」と答えた企業のうち、69.2%が「すでに返済開始」していましたが、うち2.2%の企業は減額や猶予といった返済条件の変更をしています。

また、「2023年6月末までに返済が始まる」「2023年12月末までに返済が始まる」「2024年1月末までに返済が始まる」と回答した企業は、それぞれ12.3%、10.0%、7.1%でした。そのうち「2023年12月末」「2024年1月末」は、半年前2022年8月に行った同調査よりも、それぞれ2.1ポイント、0.9ポイント増えていました。

この調査結果からわかるのは、ゼロゼロ融資の返済時期を遅らせている企業が一定数いるということです。

出典:株式会社帝国データバンク 新型コロナ関連融資に関する企業の意識調査(2023年2月)

コロナ借り換え保証制度の活用で返済負担を軽減できる

ゼロゼロ融資の返済期間が分かったところで、続いて返済負担を軽減する方法を紹介します。返済が遅れる恐れのある方や条件を変更しないと返済が厳しい方は、コロナ借り換え保証制度を検討してみましょう。

コロナ借り換え保証制度とは「信用保証協会の保証付き融資で、民間金融機関から受けたゼロゼロ融資や他の保証付き融資を借り換えられる制度のこと」です。 中小企業庁が2023年1月10日に始めました。なお、取扱期間が2024年3月31日までですので、資金繰り改善のためにご利用を検討している方はご注意ください。

制度の概要は下記の通りです。

保証限度額1億円(民間ゼロゼロ融資の上限は6000万円)
保証期間10年以内(据え置き期間最大5年)
保証料0.2%などに引き下げ(補助前は0.85%など)
金利金融機関によって異なる

コロナ借り換え保証制度を利用するメリットは次の通りです。

  • 借入時の信用保証料を大幅に引き下げられる(ただし、利子の補助はない)
  • 据え置き期間を再設定できる
  • 新たに追加で融資を受けられる

ただし、利用するには下記の4つの要件のいずれかを満たしていなければいけません。

  1. セーフティネット保証4号(自然災害などの突発的な災害が発生した影響で売上高などが減少している中小企業を支援するための措置)の認定を取得していること
  2. セーフティネット保証5号(業況が悪化している業種の中小企業を支援するための措置)の認定を取得していること
  3. 売上高が5%以上減少していること
  4. 利益率が5%以上減少していること

要件を満たしていた方は「経営行動計画書」などの必要書類を作成して金融機関に提出しましょう。審査が通れば、金融機関による継続的な伴走支援を受けることを条件に利用可能となりますが、もし審査に落ちてしまった場合は、別の対処法を模索する必要があります。

出典:中小企業庁 民間ゼロゼロ融資等の返済負担軽減のための補償制度(コロナ借り換え保証)を開始します。

ゼロゼロ融資(コロナ融資)が返せない時の対処法

ゼロゼロ融資が返済できない時の対処法はコロナ借り換え保証制度だけではありません。下記の通り他にもあります。

  • 通常の借り換え
  • リスケジュール
  • 任意売却

以下では、詳しく解説します。

通常の借り換え

コロナ借り換え保証が認められなかった場合、通常の借り換え制度を利用する手もあります。借り換えとは「返済負担の軽減を目的として、ある金融機関から既に受けている融資を他の金融機関から新たに受けた融資で返済すること」です。

借り換えをすると、借り入れ先の金融機関を既に融資を受けている金利の高い銀行から金利の低い銀行に変えられ、月々の返済負担を軽減できます。 ただし、利用に際して手数料がかかり、審査が必要なためご注意ください。

それでも「ゼロゼロ融資の返済負担を軽減したい」という方は、まず融資先に相談してみましょう。

リスケジュール

リスケジュールとは「返済計画の見直しのこと」です。リスケジュールには、返済額の変更(月の返済額の減額)や返済猶予(月々の返済額ゼロ)、返済期間の延長といったメリットがありますが、次のようなデメリットもありますので、注意してご利用ください。

  • 新規融資を受けづらくなる
  • 金融機関から書類の提出を求められる
  • 経営状況がどれだけ改善できたか報告を求められることがある

このようにリスケジュールは、返済負担を軽減できるものの、その後の経営に影響が出たり、手間がかかったりします。利用するかどうか迷っている方は、メリットとデメリットを天秤にかけて慎重に判断しましょう。

任意売却

任意売却とは「借金を返済できない時に、債権者の同意を得て不動産を売却する手法のこと」です。借り換えやリスケジュールをしてもなお、返済が厳しい場合は任意売却することをおすすめします。任意売却には次のようなメリットがあります。

  • 競売を回避できる
  • 市場価格に近い価格で売れる
  • 売却代金から引っ越し費用や仲介手数料を持ち出せる
  • 拠点を変えなくて済む(リースバックで居続けられるため)
  • 残債を分割で返済できる

ただし、任意売却は次のようなケースでは実現できませんので、ご注意ください。

  • 債権者の同意を得られなかったケース
  • 滞納していないケース
    (滞納なしで実現できる場合もあるが、滞納して実現できる場合がほとんど)

また、実現できたとしても、任意売却をしたことのない方が自己判断すると「高く売れない」「買い手が見つからない」といった問題に直面する恐れがあります。 そのため、任意売却を検討している方は、売却のプロである業者に依頼しましょう。経験と実績が豊富な業者に任せれば、債権者との交渉もスムーズに済ませられます。

まとめ

ゼロゼロ融資とは「新型コロナウイルスの影響を受け、経営が厳しくなった個人事業主や中小企業に実質無利子・無担保で融資する制度」です。 2023年7月から2024年4月にかけて、ゼロゼロ融資の返済開始が本格化します。

返済期間は、企業によって「借りた時期」「貸付期間」「据え置き期間」が異なるため、一概に言えません。しかし、実質無利子の期間との兼ね合いで、借りた時期の3年後に返済開始する企業が多いようです。

経営が厳しい状況で返済がスタートしてしまった場合は、コロナ借り換え保証制度を検討してみましょう。その際、要件を満たしていなかったり、審査が通らなかったりした場合は「通常の借り換え」「リスケジューリング」「任意売却」をしてみても良いかもしれません。特に、任意売却は市場価格に近い価格で売れるうえに、残債を分割払いできるため、おすすめの方法です。

ミライエでは任意売却に対応しています。ゼロゼロ融資が返済できずお困りの方は、お気軽にご相談ください。

お知らせ

ご相談無料住宅ローンが払えない、
このままでは競売になってしまうと
思ったら、今すぐご相談を!

0120-201-753年中無休で受付中:AM6:00-PM11:00 少しでもお悩みなら、お気軽にお問い合わせください!

ご自宅への出張相談も全て無料

初期費用や持ち出し費用無し

解決事例

  • コロナでお店が閉店に。リースバックで住み続けることに成功

  • 元請け会社の不渡りで資金難に、リースバックで事業継続

  • 収入減で競売に。雨漏りなど不具合を直してもらいリースバック

  • 調整区域内の物件であきらめていた…買戻しも可能に

  • 離婚調停の中で任意売却に成功

  • 任意売却はできなかった。しかし競売落札でリースバックができた

事例をもっと見る

会社案内はこちら