住宅ローン金利上昇で月々の支払いがきつい!返済負担の軽減策をご紹介
- 2023.12.16
- お役立ち記事
2023年9月以降、大手銀行が固定金利を一斉に引き上げています。家計への影響が気になる方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、住宅ローンの返済が厳しい時の負担軽減策を5つ紹介します。
本コラムは、現状大きな値動きはないものの、近い将来上昇すると言われている変動金利についても解説していますので、住宅ローンを組んでいる方や、これから利用しようと思っている方は、ぜひご覧ください。
住宅ローン金利とは?
住宅ローン金利とは、住宅ローンを利用した時にかかる利息額を決める利率のことで、大きく分けて変動金利と固定金利の2種類があります。以下では、それぞれについて解説いたします。
変動金利(元利均等返済方式/元金均等返済方式)
変動金利とは、日銀の短期金利と連動している利率のことです。変動金利には元利均等返済方式と元金均等返済方式の2つがあり、住宅ローンの返済方法としては元利均等返済が広く用いられています。日銀の短期金利しだいでは、毎月の返済額と総返済額が金利に応じて増減し得るため、金利が高ければ負担が増し、金利が低ければ負担が減ります。
金融機関はWebサイト上で住宅ローンの返済額を試算できる「シミュレーター」を提供しており、これを利用すると簡単に計算できます。たとえば、3,000万円の借り入れを金利1.5%で30年かけて、元利均等返済方式で返済する場合、毎月の返済額と総返済額はそれぞれ103,536円、37,272,960円(※)となりますが、変動金利の場合、金利が30年ずっと一定であるとは考えにくいため、金利が上昇した時のことも、あらかじめ想定しておくことが大切です。
金利が2.0%に上昇した時と1.0%に低下した時の、元利均等返済方式による毎月の返済額と総返済額はそれぞれ次のようになります(※)。
金利が2.0%の時の返済額
毎月の返済額 110,885円
総返済額 39,918,600円
金利1.0%の時の返済額
毎月の返済額 96,491円
総返済額 34,736,760円
※利用するシミュレーターによって返済額が異なる可能性がございます。
このように変動金利は、月によって返済額が変わるため、返済計画を立てづらいのが難点といえます。しかし、毎月の返済額のアベレージが固定金利より低いためか、利用者が全体の7割を占めており、とても人気のある形態です。
固定金利(固定期間選択型/全期間固定型)
固定金利とは、日銀の長期金利と連動している利率のことで、今まさに上昇しています。固定金利は毎月の返済額が平均して変動金利より高く、住宅ローン利用者全体の3割ほどが固定金利を選択しています。固定金利には、途中で変動金利に変えられる「固定期間選択型」と、毎月の返済額や総返済額が完済までずっと同じ「全期間固定型」の2種類があります。
変動金利とのハイブリッド的な形態ともいえる「固定期間選択型」は変動金利への移行後、金利の上がり下がりに影響されるなど不安定な一面がありますが、「全期間固定型」は完済するまで返済額が変わりません。金利が下がった時の恩恵を期待されている方には変動金利の要素を持つ「固定期間選択型」がおすすめですが、返済計画を立てやすさで選ぶなら「全期間固定型」でしょう。
住宅ローンの返済が厳しい時の負担軽減策
住宅ローンの返済が苦しい時の負担軽減策を5つ紹介します。
借り換え
借り換えとは、既に借りている借金の借り入れ先を金利の高い金融機関から金利の低い金融機関に乗り換えることで、返済負担を軽くする方法です。ただし、申し込んだら審査を通過しなければならない点、借り換えをすると返済期間が延びて返済総額が増える点には気を付けましょう。
返済条件の変更
返済条件の変更の場合、借り換えのように金融機関を変える必要がありません。返済条件を変更したい場合は、借り入れ先の金融機関に相談して、据え置き期間の延長や返済額・返済期間の見直しが可能かどうか交渉しましょう。
ただしリスケジュールをすると、毎月の返済額を抑えられますが、返済総額が増えたり返済期間が長引いたりする恐れがあります。また、債権者からの同意は必ずしも得られるとは限りません。返済条件を変更できないケースもあります。
住宅ローン控除
住宅ローン控除とは、年末時点での住宅ローン残高の0.7%分、所得税や住民税が控除される制度です。借入限度額や控除額、控除期間は、「住宅のタイプ」「入居のタイミング」によって異なりますので、事前に確認するようにしましょう。
たとえば、2023年に4,000万円の住宅ローンを組んで新築の省エネ基準適合住宅を購入し、年内に入居される方の場合、受けられる控除は年間28万円、13年で364万です。しかし、2,000万円の住宅ローンを組んで購入した既存住宅で、省エネ基準適合住宅の基準を満たさない「その他の住宅」に、2024~2025年に入居される方の場合、控除額は年間14万円、10年で140万となります。
また、控除を受けるためには要件を満たす必要があります。主な要件は以下の通りです。
- 返済期間が10年以上
- 控除を受ける年の所得金額の合計が2,000万円以下
- 物件を購入してから6か月以内に入居
- 登記簿上の床面積が50㎡(そのうち1/2以上が自分の居住用)
出典:国土交通省 住宅ローン減税
一般売買
一般売買とは、通常の不動産売却です。任意売却と違い、物件を売買するにあたり債権者の同意が必要ないものの、査定の結果ローン残高が売却金額よりも高いオーバーローンだとできません。また、物件の立地や築年数など、条件の良し悪しによっては買い手が見つからないケースもあるため、注意が必要です。
任意売却
査定価格の兼ね合いで通常の不動産売買ができない時、任意売却という不動産売買の方法があります。任意売却は、債権者(金融機関)や保証人の同意を必要とするため、簡単には販売活動を始められません。しかし、任意売却には以下のメリットがあります。
- 競売回避
- リースバック(住み続けられる)
- 買い戻し
- 残債の分割払い
- プライバシー保護(周囲に競売になったことを知られない)
たしかに任意売却は、実現のハードルが低くありません。とはいえ、販売活動をスタートさせて買い手を見つけられれば、他の対処法にはないメリットが得られます。金利上昇の影響で住宅ローンの支払いが苦しくなりそうな方は、任意売却をご検討されてみてはいかがでしょうか。
まとめ
住宅ローン金利とは、住宅ローンを利用した時に元金に対してかかる利息の割合のことです。種類は大きく分けて変動金利と固定金利の2つですが、変動金利はさらに「元利均等返済方式」と「元金均等返済方式」、固定金利はさらに「固定金利選択型」と「全期間固定型」に分けられます。
返済の負担を軽減したい場合は「借り換え」「返済条件の変更」「住宅ローン控除」「一般売買」「任意売却」を検討されると良いでしょう。ミライエはこれらの方法のうち、任意売却に対応しています。ご相談をご希望される方やご不明な点がある方は、お気軽にお問い合わせください。
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