【正直不動産】農業法人|農地売却はなぜ難しい?任意売却する時の注意点
- 2024.05.14
- お役立ち記事
円安、飼料・肥料高、後継者不足などの影響により、農家は苦境に立たされています。東京商工リサーチの2024年3月の発表によると、2023年度(2023年4月~2024年2月)の農業分野での倒産件数は77件に上り、過去最多だった前年度(2022年4月~2023年3月)の倒産件数76件を超えました。
農地の売却を検討されている方も多いのではないでしょうか。今回は人気マンガ『正直不動産』の「農業法人」の回に関連して、農地を売却する方法を紹介したうえで、農地を任意売却する時の注意点を解説します。住宅ローン・借金・税金滞納でお困りの方は、ぜひご覧ください。
【正直不動産】第147~148話「農業法人」のあらすじ
登坂不動産の営業マン、永瀬財地(ながせさいち)は、同社の元社員で現在ブローカーの桐山貴久(きりやまたかひさ)から、埼玉県入間市の市議会議員を紹介してほしいと依頼されます。
これを聞いた永瀬は、桐山が農地転用で一儲けを画策しているのではないかと疑いましたが、桐山は日本農業が抱える問題を憂いて行動を起こそうとしていたのでした。
永瀬と桐山は「3万坪の農地」を農業法人に売却するため、地権者約50人を説得することに。しかし、ただ1人トマト農家の道畑五郎(みちはたごろう)だけ畑を売るつもりはないと言い…
農業法人とは
農業法人とは、稲作・施設園芸・畜産などの農業を営む法人の総称のことです。
農業法人の数と法人形態
2010年の農業法人の数は21,627法人でしたが、2015年には27,101法人、2020年には30,707人と右肩上がりで増加しています。
法人形態は会社法人(株式会社・合同会社・合資会社・合名会社)と農業組合法人(1号法人・2号法人)に分かれます。このうち株式会社の割合が最も大きく、2020年には全体の約6割(18,942法人)を占めています。
農地所有適格法人
この農業法人が、農地を所有・売買するには、次の4つの要件を満たす必要があります。
- 法人形態要件
- 事業要件
- 議決権要件
- 役員要件
これら4つの要件を満たす法人を「農地所有適格法人」(2016年4月1日に農地法が改正されるまで「農業生産法人」)といいます。ただし、農地を借りて農業を営む法人・農地を利用しない農業を営む法人は、要件を満たす必要がありません。
出典:公益社団法人 日本農業法人協会 当協会について
農地売却が難しいと言われる理由
農業法人を運営されている方の中には、農地の売却を検討されている方もいると思いますが、農地売却は一般的に難しいと言われています。その理由は大きく2つあります。
農地法による農地規制
農地法とは、国の農業(日本の食料自給率)を守るために、農地の売買(第3条)や転用(土地所有者の転用は第4条、土地所有者以外の転用は第5条)を規制する法律のことをいいます。農地は農地法で規制されているため、通常の土地よりも売買・転用がしづらいのです。
農家の減少と高齢化
いま日本国内では、農家の減少と、高齢化に伴う跡継ぎ・後継者不足が深刻化しています。そのため、農地を売ろうにも買い手である農家が少なく、売却が難しくなっています。
農地を売却する方法
では、農地を売却するにはどうしたら良いでしょうか。農地を売却する方法は大きく2つあります。
【方法1】農地のまま売却
農地を農地のまま売り出す場合、売主は農家(農地目的の買主)にしか売却できません。農地の所在する市町村の農業委員会(※)に売主と買主が連署で申請し、許可を受けることが必要です。
※農業委員会:農業委員会等に関する法律に基づき、農地利用の最適化を推進するために設置された、農地に関する事務を執行する行政委員会
【方法2】農地を宅地などに転用して売却
農地を宅地などに転用すること、いわゆる農地転用には、農業委員会・市町村長・知事(※1)の許可(※2)が必要です。ただし、申請先はいずれも農業委員会となります。農地転用届を出して農地転用許可をもらった上で、土地の地目を変更しましょう。
土地の地目とは、田・畑・宅地・山林・牧場・雑種地といった具合に、どういう名目で土地を使うか表したものです。不動産登記法と呼ばれる法律に規定されています。全部で23種類あります。田・畑・牧場がいわゆる農地に該当します。
このように農地転用によって、買い手が農地を他の目的で購入できるようになります。
※1 市町村や面積によって許可権者が異なります。
※2 農地転用が認められない地域もあります。また、市街化区域内については、農業委員会に届出をすれば、許可は不要です。
農地を任意売却する時の注意点
農地を一般売却しようとした方の中には、住宅ローンをはじめとする借金・税金の滞納額が査定額よりも多く、一般売却できず任意売却(債権者の許可を得て行う不動産売却)を検討されている方もいることと思います。
農地を任意売却する時は、以下の点に注意しましょう。
農地転用許可が下りるまでに時間がかかる
農地を売る際、農地転用の手続きをしてから許可が下りるまでに時間がかかります。また、地域によって許可の取りやすさも異なります。任意売却はスピードが重要ですので、ご検討されている方は、お早めにご相談ください。
農地転用の費用や売却の際の税金がかかる
農地は売る時に、時間だけでなくお金もかかります。
農地転用にかかる費用
農地転用は申請すること自体には費用がかかりませんが、申請に必要な書類を揃えるのに以下の手数料がかかります。
- 届出:約3~5万円
- 許可:約6~8万円
ただし、行政書士に依頼する場合は、十数万円(市街化区域内:10万円ほど、市街化調整区域:15万円ほど)かかります。
農地転用でかかる費用は、届出と許可に必要な手数料だけではありません。工事費用と、地目変更の登録申請費用もかかります。
- 工事費用:土地の面積・種類、市町村によるが、数百万円/li>
- 地目変更の登録申請:自分で行う場合、数百円。土地家屋調査士などに依頼する場合、5万円ほど
なお、農地転用の費用は買主負担が一般的です。
農地売却にかかる費用
農地売却には以下の費用がかかります。
- 不動産業者への仲介手数料:売却代金×3%+6万円+消費税(売却価格が400万円超の場合)
- 住民票・印鑑登録証明書:それぞれ300円程度
- 譲渡所得税:売却益(売却代金-仲介手数料等)にかかる税金
- 印紙税:売買契約書にかかる税金。数百円~数千円
- 抵当権抹消費用:登録免許税(1件1,000円)と司法書士報酬(3~5万円)
譲渡所得税の税率は、所有期間5年以下の場合は39.63%、所有期間5年超の場合は20.315%です。 ミライエで任意売却する場合、住民票・印鑑登録証明書を除き、仲介手数料等は売却代金から差し引かれます。現金のご用意は不要です。
まとめ
農業法人とは、農業を営む法人の総称のことです。農地を任意売却する際は、農地転用許可が下りるまでに時間がかかる点、費用や税金がかかる点に注意する必要があります。
株式会社ミライエは、任意売却・リースバック・買い戻しを取り扱う不動産業者です。今回ご紹介したような農地も弊社会員の個人投資家が買い取ります。
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