【正直不動産】逆ざやサブリース|逆ざやの問題は?サブリース投資用物件は任意売却
- 2024.08.23
- お役立ち記事
サブリース会社が物件のオーナーから物件を借り上げて、居住者に又貸しすることをサブリースと呼びます。
サブリースには、物件の管理をサブリース会社に委託できるなどのメリットがある一方、「逆ざや」について説明されずに物件を購入したオーナーがサブリース会社を訴えるケースも起きています。
そこで今回は、人気コミック『正直不動産』の「逆ざやサブリース」の回を参考に見たうえで、逆ざやサブリースについて解説します。
サブリース投資用物件のローン返済におすすめの方法、任意売却についても解説していますので、ローンの返済にお困りの方はぜひご覧ください。
【正直不動産】第157~158話「逆ざやサブリース」のあらすじ
登坂不動産の営業マン、永瀬財地(ながせさいち)と、その後輩、月下咲良(つきしたさくら)は、知り合いの投資家、小室晃弘(こむろあきひろ)と街で偶然出会います。3人は登坂不動産の事務所で話をすることに。
小室から賃貸経営の近況を聞くと、小室がミネルヴァ不動産で購入した東村山の中古1Rマンションは、逆ざやサブリース状態であったことが判明。
本来ならば650万円で買える物件を1,000万円で買ってしまったことを知り、小室は永瀬に泣きつきますが、助けたくても助けられません。
気をもんだ永瀬は終業後、行きつけのバーでひとり飲んでいると、そこへ元同僚の桐山(きりやま)がやってきて…
逆ざやサブリースとは
逆ざやサブリースについて解説する前に、サブリースについて説明します。
サブリース
サブリースとは、サブリース会社がオーナーから借り上げた物件を入居者に転貸(又貸し)することです。その際、サブリース会社がオーナーと結ぶ契約をマスターリース契約といい、入居者と結ぶ契約をサブリース契約といいます。
オーナーにとっては、手間のかかる物件の管理業務をサブリース会社に委託できるなどのメリットがあります。
サブリース会社の利益は、入居者が支払う入居者賃料とオーナーに対して支払うマスターリース賃料の差額(これを「さや」と呼びます)です。以下の例の場合、9-8=1万円となります。
逆ざやサブリース
一方、逆ざやサブリースとは、入居者賃料がマスターリース賃料よりも低い、「逆ざや」状態のサブリースのことです。以下の例では、サブリース会社の利益は5-8=-3万円です。
毎月3万円の赤字が発生するにもかかわらず、サブリース会社はなぜこのようなことができるのでしょうか。それは、サブリース会社と別の会社が結託しているからです。
例えば、サブリース会社と販売会社が同じグループ会社であれば、販売会社がオーナーへの物件販売(相場よりも高い販売価格が設定されていることがあります)から得た利益で、サブリース会社の損失をカバーできます。
サブリース会社単体では赤字でも、グループ会社全体で見れば、一定期間は黒字を確保できます。物件の販売利益はマスターリース賃料と比較してきわめて大きく、当面の間はオーナーに賃料を支払うことが可能です。
しかし、逆ざやの状態をいつまでも続けることはできません。しばらくすると、オーナーへの賃料減額請求や未払い、場合によってはサブリース会社の倒産の可能性があります。
「かぼちゃの馬車事件」でサブリース問題が広く知られるように
サブリース問題が社会に広く知られるようになったきっかけは、かぼちゃの馬車事件です。
サブリース事業を展開していた株式会社スマートデイズは、女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」を一棟約1億円で投資家に販売していました。
スマートデイズは30年間の家賃収入を保証していましたが、2017年に投資家に対して賃料減額を請求、2018年以降は賃料を支払えずに経営破綻(2018年5月)します。
不動産投資ローンを組んでシェアハウスを購入した投資家は、ローンを返済できずに多額の借金を抱えることになりました。スルガ銀行による不正融資も被害拡大の一端を担ったとされます。
逆ざやのワンルーム販売をめぐる裁判
逆ざやサブリースの概要が分かったところで、以下では、逆ざやワンルーム販売を違法とする判決が言い渡された裁判をご紹介します。
「逆ざや」を説明せずにサブリース物件を販売
サブリース物件のオーナーらは2021年4月、サブリース事業の運営や物件の売買を手掛けるピーエムジー・Lifestar・おうちの管理の3社に対して、逆ざやであることを説明せずに物件を販売したとして、合計約1,720万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こました。
2019年12月、オーナーの一人は、マスターリース賃料8万500円、販売価格1,039万7,000円で区分マンションを購入。契約書には入居者賃料は9万4,000円と記載されていました。しかし、実際には賃料5万円の入居者がおり、3万500円の逆ざやだったのです。
賠償額は販売価格と本来の物件価格との差額
2023年9月、東京地裁は3社に合計約1,475万円の支払いを命じました。判決では、マスターリース賃料と物件価格から利回りを算出。この利回りと実際の賃料から再度物件価格を計算し、販売価格から差し引いた金額を原告の損害額として認めました。
出典:全国賃貸住宅新聞「逆ざや説明せず販売、不法行為(2023年9月22日)」
サブリース投資用物件は任意売却
サブリース投資用物件のローン返済にお困りの方には、任意売却をおすすめします。ここでは、任意売却の概要とサブリース投資用物件の任意売却事例をご紹介します。
任意売却
任意売却は、不動売却方法の一種で、債権者(銀行等)から同意を得て行う方法です。一般売却とは違い、オーバーローン(残債額>査定額)でもできます。
この任意売却をすると、不動産の差し押さえ、および競売を回避できます。しかも、残債は分割で返済可能です。
サブリース投資用物件を任意売却できた事例(埼玉県三郷市)
ご相談者様は、サブリース会社の賃料改定で予想外の赤字に。ローン返済に困り、一般売却をしようとしましたが、オーバーローンでできず。
解決方法を調べていた時に任意売却とミライエを知り、ご相談をいただきました。
販売活動を始めて約1カ月で買い手(弊社会員の個人投資家)が見つかり、任意売却できました(残債は分割で返済)。
まとめ
逆ざやサブリースとは、マスターリース賃料が入居者賃料より高い状態をいいます。相場よりも高い販売価格で売りつけられたり、サブリース会社が倒産したりして、最終的にローン返済できなくなる恐れがあります。
株式会社ミライエは、任意売却の実績3,000件以上を誇る不動産業者です。今回ご紹介したような、サブリース投資用物件の任意売却も承っています。
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