【任意売却をご希望の方必見】インボイス制度が不動産業界に与える影響
- 2024.02.20
- お役立ち記事
2023年10月1日にインボイス制度が始まり、事業者はインボイス制度への対応を迫られました。不動産業界もその例外ではありません。そこで今回は、インボイス制度が不動産業界に与える影響について解説します。
本コラムは課税事業者・免税事業者になるメリット・デメリットもそれぞれ説明しています。消費税をはじめとする税金の支払いにお困りで任意売却ご希望の方のご参考になれば幸いです。
インボイス制度について
インボイス制度とは「仕入れ税額控除(仕入れにかかった消費税の支払いが免除されること)の新たな制度のこと」です。事業者は下記の通り免税事業者と課税事業者の2つに分けられます。
- 免税事業者:消費者の納税義務のない事業者
- 課税事業者:消費税の納税義務のある事業者
そして原則、免税事業者となるのは前々年の課税売上高が1,000万円以下の事業者、課税事業者となるのは前々年の課税売上高が1,000万円を超える事業者です。
ただし、課税売上高1,000万円以下であっても、インボイス発行事業者の登録を申請している事業者は、免税事業者ではなく課税事業者とみなされますのでご注意ください。
このインボイス制度は、事業者が売り手の場合と買い手の場合とで話が変わってきます。そのため以下では、インボイス制度を売り手と買い手それぞれの視点でご紹介します。
売り手側から見たインボイス制度
課税事業者の売り手は、受け取った消費税を税務署に納める義務があります。しかしその際、仕入れにかかった消費税に関しては、ある一定の条件(仕入れ税額控除の適用基準)を満たしていれば、売上にかかる消費税から差し引いて良いことになっています。そしてその適用基準が2023年10月1日を境に変更されたのです。
買い手側から見たインボイス制度
これまで買い手は、売り手の事業者に区分記載請求書を発行してもらい保存していれば、消費税を確定申告する際、仕入れ税額控除を受けられました。
しかし、インボイス制度が開始してからは、インボイス(適格請求書)を持っていないと仕入れ税額控除を受けられなくなりました(区分記載請求書は免税事業者でも課税事業者でも発行できるが、従来の書式に加えて登録番号や税率も記載するインボイスは課税事業者しか発行できない)。
つまり、顧客(課税事業者の買い手)が消費税の仕入れ税額控除を受けられるかどうかは下記の通り、売り手にかかっているのです。
- 売り手が免税事業者:インボイスを発行してもらえないので、税額控除を受けられない
- 売り手が課税事業者:インボイスを発行してもらえるので、税額控除を受けられる
課税事業者になるメリット・デメリット
インボイス開始で課税事業者への転換を検討されている事業者の方もいるでしょう。課税事業者になることのメリットとデメリットは以下の通りです。
課税事業者になるメリット
自社が売り手の場合:買い控えされにくくなる、取引を継続してもらえる
自社が買い手の場合:売り手が課税事業者なら、インボイスを発行してもらえるので、仕入れ税額控除を受けられる
なお、2029年9月30日まで6年間は、免税事業者からの仕入れであっても50~80%の税額控除を受けられる経過措置があります。
また、インボイスがなくても帳簿を保存していれば、仕入れ税額控除を受けられる「少額特例」と呼ばれる経過措置が設けられているため、必ずしも売り手が免税事業者だと仕入れ税額控除を受けられないわけではありません。
課税事業者になるデメリット
自社が売り手の場合:消費税の納税義務が発生する
自社が買い手の場合:売り手が免除事業者だと、インボイスを発行してもらえないので、消費税の仕入れ税額控除を受けられない
しかし、「簡易課税制度※」を適用している課税事業者の方は、インボイスなしで税額控除を受けられます。そのため、売り手がインボイスを発行できない免税事業者でもOKです。
※売上にかかる消費税額に業種ごとに決められた仕入れ率をかけ、その金額を仕入税額と見なす制度のこと。基準期間における課税売上高が5,000万円以下の事業者が対象で、事務作業の負担軽減が目的。
免税事業者になるメリット・デメリット
売り上げが少なく免税事業者を選択しているケースも少なくありません。免税事業者のメリットとデメリットは以下の通りです。
免税事業者になるメリット
売り手の場合:消費税の納税義務がない、益税(顧客から受け取った消費税のうち、納税されずに事業者の手元に残った消費税)を得られる
買い手の場合:特になし
免税事業者になるデメリット
売り手の場合:課税事業者の法人の顧客から値下げ交渉や買い控えを求められる可能性がある(納税義務のない個人の顧客や免税事業者の顧客の場合は問題なし)
買い手の場合:そもそも免税のため仕入れ税額控除を受けられない
インボイス制度が不動産業界に与える影響
インボイス制度が不動産業界に与える影響について解説する前にまずは、不動産を売買する際、どんなケースで課税されるかを見ていきましょう。
不動産は土地と建物の2つに大別されますが、土地は非課税(消費される財産ではないため)で、建物は課税される可能性のある財産です。
建物は売主が個人の時、基本的には非課税です(ただし、個人の課税事業者は課税)が、売主が事業者の時は課税となります。要するに、売買する建物の課税・非課税は、売主が個人なのか、それとも事業者なのかによって決まります。
そのうえでインボイス制度が不動産業界に与える影響として、次の2つが考えられます。
免税事業者の売り主の交渉力が下がる
インボイス制度の開始によって免税事業者の売り主の交渉力は下がると考えられます。
なぜなら、課税事業者の買い主の立場に立って考えた時、免税事業者の売り主と課税事業者の売り主、どちらと取引したいかと言えば、何か特別な事情がない限りは仕入れ税額控除を受けられる課税事業者の売り主を選ぶと思われるからです。
「免税事業者の自分と課税事業者の競合他社」という構図になった時、免税事業者であり続けることが交渉するうえで不利に働く恐れがあります。
住宅ローンや借金、税金を返済するため、物件の売却を検討されていて、免税事業者の方はお気を付けください(ただし、住宅用物件の賃貸業はそもそも家賃に消費税がかからず非課税のため、交渉力が下がる心配なし)。
課税事業者の売り主の収益が下がる
インボイス制度開始に伴い、課税事業者の売り主の収益は下がると考えられます。なぜなら、課税事業者になると消費税の納税義務が発生し、これまで受け取っていた益税が得られなくなるためです。
たとえば、年間売り上げが税込み500万円、仕入額が税込み100万円でも、免税事業者の場合、消費税を納める必要がないので収益は400万円となります。
しかし、課税事業者になったとたん、売上と仕入れにかかった消費税(税率10%)の差額、50万円-10万円=40万円を支払わなければならなくなり、収益は400万円-40万円=360万円と40万円減収してしまいます。
「収益を上げようとして免税事業者になったら、市場における自社の交渉力が下がり、かといって交渉力を上げようと課税事業者になったら収益が下がる」
インボイス制度が始まった影響で、売り主はそんなジレンマに悩まされるでしょう。
税金の支払いが苦しい方は任意売却を
前節でご説明した通り、インボイス制度の開始が売り主にとって逆風であることは確かですが、それでも消費税など税金の支払いや住宅ローンの返済が苦しい方は、任意売却をご検討されてみてはいかがでしょうか。
なぜなら、任意売却をすれば、競売で売られるよりも多くの資金を得られ、借金を大幅に減らせるからです。そのうえ、債権者や買主との交渉次第では、リースバックで今住んでいる家に住み続けられる可能性もあります。将来的に買戻しをご希望の方も、まずは豊富な経験と実績を持つ業者に相談し、任意売却するうえでのアドバイスをもらいましょう。
まとめ
インボイス制度は、消費税仕入れ税額控除の新たな適用基準です。インボイス制度が開始されたことで、多くの業界が影響を受け、不動産業界も少なからず影響を受けました。これから売り主の交渉力や収益が低下する恐れがあります。
株式会社ミライエは任意売却・リースバック・買戻しに対応した不動産会社です。売主様が任意売却する物件は、ミライエ会員の個人投資家が買い取りますが、買主によって購入したい物件の好みはさまざまですので、買い手を見つけられるチャンスが多くあります。
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