コロナ終息後に任意売却が急増!ゼロゼロ融資の影響で不動産業界に起きた変化

近頃、コロナ禍に借りたゼロゼロ融資が返済できず倒産する企業や、傾いた経営を再建させるため任意売却する企業が増えています。こうした現状を理解するためには国内外で「過去に何があったのか?」を知る必要があります。

そこで今回は、2020年から2022年にかけてゼロゼロ融資の影響で不動産業界に起きた変化について解説します。この記事を読めば、「2023年以降、不動産業界が今後どうなるのか?」もわかるようになります。ゼロゼロ融資が返済できずお困りの方は、ぜひご覧ください。

ゼロゼロ融資(コロナ融資)と倒産件数

ゼロゼロ融資とは「新型コロナウイルス感染拡大の影響で経済状況が厳しくなった個人事業主や中小企業を対象に無利子・無担保で融資する制度」です。

2021年は多くの企業がゼロゼロ融資に救われ、倒産件数が比較的多くありませんでしたが、2022年になると倒産する企業が急激に増え始めました。

ゼロゼロ融資を利用後に倒産した企業の件数は、2022年度は541件と2021年度の150件の3.6倍に達しました。また、2023年4月から7月までの間に新型コロナウイルス関連の倒産をした企業は合計1,099件(4月235件、5月291件、6月302件、7月271件)におよびます。

出典:東京商工リサーチ TSRデータインサイトおよび全国倒産状況

このように、ゼロゼロ融資が返済できず倒産している企業が今増えているのです。

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コロナ禍にゼロゼロ融資で不動産バブル!何が起きた?

2020年秋頃、日本の不動産業界は1991年以来、実に30年ぶりとなる不動産バブル(売却価格の上昇)を迎えました。

出典:国土交通省 不動産価格指数に関するプレスリリースp.2

不動産バブルが到来したことで日本の不動産業界に起こった変化は大きく2つあります。

不動産業界が売り手市場(需要が高い状態)に

日本の不動産業界は2020年秋頃に不動産バブルを迎えてから現在に至るまで、物件を売却する側に有利な状態となっています。こうした事態が起こっているのはなぜでしょうか?

以下では、その要因を2つ紹介します。

金融緩和政策

1つは日本で2013年から続いている「金融緩和政策」です。ゼロ金利政策やマイナス金利政策の影響で金利が下がり、より多くの人が物件を購入できるようになりました。今も売却価格が高い水準であるのは、2023年現在も依然として需要が高いためです。今後も売却価格が高い水準でいるうちは、通常の売却が活発に行われ続けるでしょう。

海外の投資家による国内不動産への投資

もう1つは、「海外の投資家による国内不動産への投資」です。2020年3月にゼロゼロ融資が始まったことで、大量の融資マネーが市場に流れ込みました。融資総額は約42兆円にのぼると言います。

これにいち早く気づいた海外の投資家が日本の不動産に投資し始めたことで、需要高の傾向に拍車がかかりました(ゼロゼロ融資が始まる前から、もともと需要が高い状態ではあった)。こうした経緯で、コロナ禍の日本の不動産業界は完全に売り手市場となったのです。

通常の売却は増えたが任意売却と競売は激減

通常の売却

コロナ禍以降、通常の売却が増えました。ゼロゼロ融資や協力金のおかげで金銭的な余裕ができ、新たに物件を購入する人が増えたことや、テレワークの推進によって供給が追い付かないほどに巣ごもり需要が増えたことが主な理由です。

任意売却と競売

一方、任意売却と競売の件数は減りました。ゼロゼロ融資を受けてローンを滞納する人が減ったことや、金融機関が返済条件(返済額・返済時期など)の変更に積極的だったことが主な理由として挙げられます。

このように、通常の売却が増える一方で任意売却と競売が激減したのは、一時的ではあるものの多くの企業に金銭的な余裕が生まれたためであると推測できます。

コロナ終息後の不動産業界と任意売却

コロナが終息した後の不動産業界は、次のようになると予想されます。

売却価格がコロナ前の水準に下がって(戻って)しまう可能性がある

2020年秋頃に不動産バブルを迎えてから現在に至るまで、売却価格は上昇し続けてきました。競売の売却基準価額や任意売却の売却価格も、市場価格の上昇に合わせて釣り上がっていました。そのため、2023年以降も向こう数年間は「上昇」あるいは「高止まり」すると予想されます。

しかし、下がる可能性が全くないとは言えません。なぜなら、売却価格の上昇を引き起こしている金利や国際情勢は今後いつ急変しても不思議ではないためです。

数年前、新型コロナウイルスの感染拡大やロシアによるウクライナ侵攻といった誰も予期できない出来事が起こったように、数年後に今の私たちには信じがたい出来事が起こる可能性が大いにあります。

任意売却する人が増える

今後、任意売却する人が増えると言える理由は大きく3つあります。

  1. 物件を売却しようと思っている方が、不動産バブルがはじけ、売却価格が下がることを危惧して駆け込む(売却価格が高いうちに売りたい方が増える)
  2. 経営が厳しい状況で返済が始まる方、滞納する方が増える(2023年7月からゼロゼロ融資の返済が本格化)
  3. 金融機関が返済条件の変更に応じなくなる(負担を軽減できなくなり、返済が厳しくなる人が増える)

任意売却をするなら「今」

今は任意売却するのにちょうど良い時期です。しばらく時間が経過してから任意売却すると、不動産バブルがはじけて売却価格が下がってしまう可能性があります。

ゼロゼロ融資が返済できずお困りの方は、売却価格が高い今のうちに物件を任意売却してしまいましょう。

まとめ

ゼロゼロ融資とは「新型コロナウイルス感染拡大の影響で経済状況が厳しくなった個人事業主や中小企業を対象に無利子・無担保で融資する制度のこと」です。

この制度が始まったことで、日本の不動産業界は2020年秋頃に不動産バブルを迎え、売り手市場になりました。また、通常の売却は増え、任意売却と競売は激減しました。

しかし、今後の不動産業界は、売却価格がコロナ前の水準に下がって(戻って)しまうことを危惧し、任意売却する人が増えると予想されます。ただし、将来的に売却価格が下がってしまう可能性もあるため、任意売却を検討している方は、売値が高いうちに売却できるよう早めの対応が欠かせません。

ミライエでは任意売却に対応しています。ゼロゼロ融資が返済できずお困りの方は、お気軽にご相談ください。

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