【正直不動産】住宅ローン事務手数料|任意売却にかかる費用とは?

2024年1月からNHKにて放送されているテレビドラマ『正直不動産2』をご存じでしょうか。あの人気タレント山下智久さん主演ということもあり、視聴率も良いそうです。

原作マンガ『正直不動産』には、「住宅ローン事務手数料」の回がありますが、興味をお持ちの方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、住宅ローン事務手数料について解説します。

本記事では、住宅ローンや借金、税金が支払えなくなり、住宅の売却を検討している方向けに、任意売却にかかる費用について説明しています。

任意売却した家に住み続けられる方法、リースバックや買戻しについても紹介していますので、ぜひご覧ください。

【正直不動産】第105~106話「住宅ローン事務手数料」のあらすじ

ある日、登坂不動産、永瀬財地(ながせさいち)の営業部の後輩、岩沢は、住宅ローンを組んで中古マンションを購入しようとするIT関連会社勤務のシステムエンジニア宮森優人と契約の商談をしていました。

しかし、仲介手数料75万2,400円では今月のノルマ100万円にあと30万円届きません。困った岩沢は悪いことだと分かっていながら、前の会社で上司から教わったように、諸費用見積書に「住宅ローン事務手数料」33万円を追記することに。

ところが、渡された見積書に目を通した宮森が「住宅ローン事務手数料」について言及。岩沢は「ローン契約を当社が代行することで、融資が確実なものになる」などとデタラメの嘘をついてやり過ごそうとしますが、ちょうど近くにいた永瀬に正直営業をしていないことを気づかれてしまいます。

注意すべきか今回だけは目を瞑っておいてやるか葛藤する永瀬。「ここで本当のことを言ってしまえば岩沢の商談が台無しになる」と思い、ぐっとこらえますが、こらえきれません。

そして遂に本当のことを宮森に打ち明けそうになったその時、後ろめたい気持ちにいたたまれなくなった岩沢が突然…

住宅ローン事務手数料とは?

住宅ローン事務手数料とは「住宅ローンを借り入れて物件を購入する人が金融機関に対して支払う費用のこと」です。

住宅ローン事務手数料の定率型と定額型の違い

住宅ローン事務手数料には定率型と定額型があります。定率型は借入金額の2.2%、定額型は3~5万円前後が相場となっています。定率型は定額型よりも借入金利が低く設定されていることが一般的です。

そのためたとえば、借入金額2,000万円、定率型2.2%の場合、住宅ローン事務手数料は44万円。定額型の場合は、借入金額がいくらでも約3~5万円です。 一見、定額型よりも定率型の方が、総返済額が断然少なくなるように思えます。ただし、定額型には保証料がかかります。

なお、いつも定率型の方が安いとは限りません。おおよそいくらかかるか知りたい方には、あらかじめシミュレーションすることをおすすめします。

住宅ローン事務手数料は支払う必要があるのか?

先ほどご説明した通り、住宅ローン事務手数料は本来、「物件購入者が住宅ローンを組む際、金融機関に対して支払うもの」です。しかし、不動産会社から不当に請求される場合があります(本当は支払う必要がありません)。

以下のように、諸費用明細に大きな金額に紛れ込ませることで、住宅ローン事務手数料を目立たなくさせ、支払わせてしまうのです。

<諸費用明細の例>

  • 仲介手数料 1,761,000円
  • 住宅ローン保証料 600,000円
  • 住宅ローン事務手数料 150,000円

このように物件を購入する際、不動産会社から提示された諸費用明細に住宅ローン事務手数料が含まれている場合、何も言わないとそのまま支払わされてしまいます。

そのため、どんな費用なのか?なぜこの金額なのか?詳しく説明してもらうことが大切です。

拒めば支払わずに済む場合がほとんどかと思われますが、万が一不動産会社から住宅ローン事務手数料を請求されたときは支払ってしまわないよう気を付けましょう。

任意売却とは?

1つ前の節では、住宅ローン事務手数料という物件を購入する時に関わる話をしましたが、ここからは物件を売却する時の方法である、任意売却についてご紹介します。

ローン残高が売却査定額より多くても任意売却は可能

任意売却とは「金融機関や保証会社といった債権者の同意を得て、不動産を売却すること」です。

所有する物件を任意売却する理由は人それぞれですが、ご相談くださる方の中で、以下のようなお金の返済に困っている方が多いように思われます。

  • 住宅ローン
  • 消費者金融の借金
  • 税金の支払い

この任意売却は、一般売買と違い、ローン残高が査定額より多いケースでも行えます。

たとえば、ローン残高1,500万円の場合、次のようになります。

  • 一般売買:査定額1,800万円など、ローン残高1,500万円を上回っていないと行えない
  • 任意売却:査定額1,200万円など、ローン残高1,500万円を下回っていても行える

任意売却によって競売・公売を回避できる

住宅ローンや借金あるいは税金を滞納すると、所有する物件が競売もしくは公売になりますが、任意売却をするとこの競売や公売を回避できます。

競売とは「債務者の不動産をはじめとする財産が裁判所によって差し押さえられ、債権者の債権回収のために売却されること」で、公売とは「税金滞納者の財産が税金回収のために税務署によって差し押さえられ、売却されること」です。

どちらも入札形式で行われるため、オークションと呼ばれることもあります。

任意売却&リースバック・買戻しで住み続けられる

任意売却したあとの進路は、「どこか別の場所へ引っ越したい人」と「売却した家に住み続けたい人」の2つに分けられます。

このうち「住み続けたい」という人には、売却した住宅の買い手と賃貸契約を結んで住み続けられる、リースバックがおすすめです。

ただし「住み続けられる」とはいえ、あくまでも持ち家ではなく賃貸ですので、その点にはご注意ください。

リースバックされる方の中で「思い出の詰まった家だから所有権を取り戻したい」という方は、買い戻しを検討されてみてはいかがでしょうか。買い戻しに成功すれば、以前売った家を購入し、再び自分のものにできます。

任意売却の売り主(債務者)は持ち出し費用なし

任意売却の費用は大部分を買主が負担します。そのため、売り主(債務者)の持ち出し費用はありません。ただし、以下の費用はかかります。

  • 仲介手数料(売却代金から捻出)
  • 住民票取得費用(約300円)
  • 印鑑証明取得費用(約300円)

任意売却で売却代金から捻出可能な費用

任意売却にかかる諸費用はほとんどが買い主負担です。売却代金から捻出できます。

仲介手数料

仲介手数料とは「不動産の売買契約が成立した時に、買い主と売り主が媒介契約を結んだ業者に対して支払う成功報酬のこと」です。

具体的な金額は、依頼する業者と物件の売却価格によって異なるため一概に言えませんが、下記の通り仲介手数料の上限が定められています。

売却価格仲介手数料の上限
200万円以下売却価格(税抜)×5%+消費税
200万円超~400万円以下売却価格(税抜)×4%+2万円+消費税
400万円超~売却価格(税抜)×3%+6万円+消費税

たとえば、売却価格2,000万円(税抜)の物件の場合、2,000万円×3%+6万円+2,000万円×10%=266万円まで仲介手数料がかかる可能性があるということになります。

登録免許税(抵当権抹消費用)

登録免許税とは「登記簿謄本から抵当権の記載を抹消するのに支払う必要のある税金のこと」で、不動産1つにつき1,000円かかります。

抵当権とは「債権者(金融機関や保証会社など、お金を貸している側)が債務者の物件を担保に設定する権利のこと」です。設定している債権者は債務者がローンを返済できない場合に、弁済を優先的に受けられます。

収入印紙税

収入印紙税とは「売買契約書に貼り付ける印紙にかかる代金」です。印紙税の金額もまた仲介手数料と同様に、不動産の売却価格によって異なります。不動産売買契約書の印紙税は下記の通りです。

売却価格印紙税(軽減措置期間※)
100万円超~500万円以下1,000円
500万円超~1,000万円以下5,000円
1,000万円超~5,000万円以下1万円
5,000万円超~1億円以下3万円

出典:国税庁 不動産売買契約書の印紙税の軽減措置
※2014年4月1日~2024年3月31日に作成された契約書が対象

滞納税

住宅ローンを滞納してしまった方は、税金も滞納していることが少なくありません。住民税や固定資産税、都市計画税がその典型例です。

司法書士・弁護士への報酬

任意売却する際、司法書士あるいは弁護士に相談した場合、報酬を支払う必要があります。金額の目安は下記の通りです。

 相談内容金額
司法書士登記手続き数万円
 弁護士 任意整理着手金:3~5万円、成功報酬:5~15万円
個人再生着手金:20~30万円、成功報酬:10~20万円
自己破産着手金:20~30万円、成功報酬:10~20万円

管理費・修繕積立金

任意売却する物件がマンションの場合、管理費・修繕積立金をしているケースもあるでしょう。買い主負担で、売却代金から持ち出せることがほとんどです。

引っ越し代(住み続けない場合)

住み続けない場合、引っ越し代も売却代金から捻出できることもあります。もらえる金額の相場価格は20~30万前後です。ただし依頼する業者によっては、引っ越し代をもらえないケースもありますので、注意しましょう。

住宅ローンや借金の返済、税金の支払いにお困りの方は任意売却を

住宅ローンや借金、税金を滞納すると競売や公売になりますが、任意売却に成功するとこの競売や公売を回避できます。では、競売や公売にならずに済むと何が良いのでしょうか?

まず1つ言えるのは、「競売や公売よりも任意売却のほうが、一般的に売却代金が高い」ということです。売却代金が高ければ、残債を少しでも多く減らせます。

競売や公売では残債を一括で返済することがほとんどですが、任意売却では分割で返済することが可能です。

もう1つは「近隣住民に知られずに住み続けられる」ということです。競売や公売になると、自宅が差し押さえられたことを新聞やインターネットで公告されてしまいます。

しかし任意売却の場合、住宅ローンや借金、税金を滞納したとしても、自宅が競売や公売になったことを近隣に気付かれません。それだけでなく、リースバックや買戻しで住み続けられます。

まとめ

住宅ローン事務手数料とは本来、住宅ローン利用者が金融機関に対して支払う費用のことを言います。しかしまれに、ローン契約の代行費用と称し、法外な価格で架空請求してくる業者が存在するため、注意が必要です。

株式会社ミライエは任意売却の累計実績3,000件以上の不動産会社ですが、任意売却後に行うリースバックや買い戻しにも対応しています。

お客様が任意売却する物件の買い主(弊社会員の個人投資家1万人以上)は、リースバック・買い戻しに理解のある買い主ばかりです。

「住宅ローンや借金、税金の支払いに困っているが、競売・公売を回避して住み続けたい」という方は、お気軽にお問い合わせください。電話・メール・LINEにて年中無休でご相談を承っております。

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初期費用や持ち出し費用無し

解決事例

  • コロナでお店が閉店に。リースバックで住み続けることに成功

  • 元請け会社の不渡りで資金難に、リースバックで事業継続

  • 収入減で競売に。雨漏りなど不具合を直してもらいリースバック

  • 調整区域内の物件であきらめていた…買戻しも可能に

  • 離婚調停の中で任意売却に成功

  • 任意売却はできなかった。しかし競売落札でリースバックができた

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