家を売却した後でも住み続けられるリースバックとは?メリットや注意点を解説
- 2023.07.31
- お役立ち記事
「まとまったお金が今すぐに必要で、自宅を売却する予定だが、売却した後も住み続けたい」
かつて購入した家のことで、こうした悩みを抱える方が少なくありません。
そこで本記事では、資金を調達しつつ住み続けられるリースバックについて解説します。この記事を読めば、リースバックの流れやメリット・デメリット、注意点もわかるようになります。住み慣れた家に売却後も住み続けたい方は、ぜひご覧ください。
リースバックとは?
リースバックとは、自宅をリースバック業者に売却したあと、その物件に家賃(リース料)を払って賃貸で住み続ける不動産取引の仕方のことです。
リースバックすることで、まとまった資金を手にでき、住み慣れた家に住み続けられます。そのため、実際にリースバックする方の多くが、住宅ローンを返済できなくなった方です。
しかし、売却代金の使い道は自由なので、なかには子供の学費や事業の資金、相続問題の回避などに活用する方もいます。今すぐにお金が必要で売却後も自宅に住み続けたい人は、リースバックを検討してみてはいかがでしょうか。
リースバックの流れ
リースバックをするときは、まず家が「いくらで売れるのか?」を業者に価格や賃料を査定してもらう必要があります。
1週間ほど経って査定結果が提示されたら、「売買契約」「賃貸借契約」と呼ばれる2つの契約を締結しましょう(買戻し希望の場合は、「再売買予約契約」も結ぶ)。
以上の手順を踏んで初めてリースバックができます。
一般的にリースバック契約は2~3年で結ばれますが、契約終了後の選択肢は次の3つです。
- 賃貸で住み続けたい方→更新
- 再購入して住み続けたい方→買戻し
- 引っ越す方→退去
契約終了後どうするかは資金状況を見ながら業者や家族に相談しましょう。
リースバックのメリット
リースバックには次のようなメリットがあります。
- すぐに資金を得られる
- 引っ越すことなく住み続けられる
- リバースモーゲージより制約が少ない
- 将来的に買い戻せる
以下では、詳しく解説します。
すぐに資金を得られる
リースバックは、売却後にまとまった資金をすぐに手に入れることが可能です。一般の売却では現金化に半年ほどかかりますが、リースバックは2週間から1か月足らずで現金を得られます。
こうした特徴からもわかるように、リースバックは今すぐにでも資金が必要な方に適した手法と言えるでしょう。
引っ越すことなく住み続けられる
普通に売却しただけでは売却後に出ていかなければなりませんが、リースバックをすると家を売った後も住み続けられます。
それはリースバックに理解のある買主が一定数いるからです。売却したことを近隣住民に気づかれる心配もありません。
ただ、住み続けられるといっても所有者ではなくなり借主になることに注意しなければなりません。なぜなら、リフォーム工事など所有者でないとできないことがあるためです。
家に愛着があって住み慣れた家を手放したくない方、お子さんのために環境を変えたくない方、ご高齢の両親に心配をかけたくない方、人によって様々な事情があるかと思います。
家を売った後も住み続けたい方は、リースバックしてみましょう。引っ越しせずに済みます。
リバースモーゲージより制約が少ない
リースバックについて語るときに、よく引き合いに出されるのがリバースモーゲージ(自宅や土地、建物を担保にして金融機関からの借り入れをすること)です。
両者は名前や働き(不動産を駆使して資金を手にできる点や住み続けられる点)が似通っているため混同されがちですが、違う部分もあります。
そこで、以下ではリースバックとリバースモーゲージの違いを表でまとめてみました。
リースバック | リバースモーゲージ | |
---|---|---|
取引先 | リースバック業者 | 銀行/金融機関 |
売却(返済)時期 | 契約時 | 契約者が亡くなった後 |
お金の種類 | 売却代金 | 融資 |
所有権の移転 | あり(業者に移る) | なし |
物件 | 戸建て/マンション | 主に戸建て(土地付きの建物) |
年齢制限 | なし | あり(50~80歳※) |
毎月の支払い | 家賃 | 借入金の利息 |
資金の使い道 | 自由 | 制限あり |
住宅ローン | 残債があってもOK | 完済していることが条件 |
同居人 | 制限なし | 配偶者のみ |
※金融機関によって異なるため注意。
関連記事:任意売却&リースバックの仕組み。リバースモーゲージとの違いも解説
将来的に買い戻せる
リースバックをすると、一度売った自宅を数年後に買い戻すことができます。
買戻し価格を求める計算式は「リースバック売却価格×1.1~1.3」です。
一般的にリースバック売却価格は市場価格の70~90%ほどなので、買戻し価格は市場価格くらいになります。金銭的な事情で家を今すぐに手放さなくてはならない方のなかでも、「いつの日か買い戻せたら」と考えているのはあなただけではありません。
思い入れのある自宅を取り戻したい方は、リースバックの契約をする際、買戻し希望の旨を業者に伝えましょう。
関連記事:任意売却によるリースバック後、買戻しする方法とは?
リースバックのデメリット
リースバックには次のようなデメリットがあります。
- 売却代金が仲介よりも安い
- 家賃がかかる
- 所有権を失う
以下では、詳しく解説します。
売却代金が仲介よりも安い
リースバックをすると、資金をすぐに手に入れられますが、売却代金が仲介で売った場合に比べて安くなります。
リースバックをしてどれだけの売値が付くのか知りたい方は、リースバック売却価格が「市場価格×0.7~0.9」の計算式で求められること知っておくと良いでしょう。
そのうえで具体的な数字をあてはめた例を考えると、一般の売却で3,000万円の値が付く物件の場合、リースバックでは2,100~2,700万円になります。
これは仲介で売却するよりも売値が300万~900万円安くなっている状態といえますが、300万~900万の価格差を生んでいるのは物件の築年数や立地、状態です。
これらの条件が良ければ0.9倍でとどまり、悪ければ0.7倍にまで下がってしまいます。リースバックで少しでも高く売りたいと思っている方は、築年数や立地は変えられないので、家の状態を良好に保つようにしましょう。
家賃がかかる
リースバック後にかかる家賃は、周辺の家賃相場ではなく利回り分を上乗せした価格になるため高くなります。計算式は次の通りです。
「年間家賃=リースバック売却価格×利回り」「月額家賃=年間家賃÷12か月 」
したがって、リースバック売却価格が1,800万円、利回りが8%のとき、
年間家賃は1,800万円×0.08=144万円、月間家賃は144万円÷12=12万円となります。
上記の家賃はあくまで例であり、最初の契約で決められた金額を支払い続けていたとしても、業者によっては契約更新の時に家賃を上げられる可能性もあります。
所有権を失う
リースバックをすると、所有権が持ち家の売り主からリースバック業者に移転し、物件が自分のものではなくなります。リースバックをした方が自宅を売却した時点で所有者から借主になるのです。
これにより、リフォーム工事やリノベーションを所有者の同意なしにできなくなるといった不都合が生じますが、所有者に支払い義務のある固定資産税を支払わなくてよいといった利点もあります。
ただし、所有権を失ったとしても住み続けるには、当然ながら資金が必要です。家賃や更新料(税金や手数料を含む)を数年に一度払い続けなければならないため、リースバックを検討している方は注意しましょう。
リースバックの注意点
リースバックをする際は、次の点に注意しましょう。
- 長く住み続けたい場合は普通賃貸借契約を結ぶ
- 家賃を滞納しない
以下では、詳しく解説します。
長く住み続けたい場合は普通賃貸借契約を結ぶ
リースバックをするとき、業者との間で賃貸契約を結びますが、賃貸の契約方法は大きく分けて2つあります。定期借家契約と普通賃貸借契約です。
定期借家契約は貸主が更新を認めてくれない限り、契約を更新できない仕組みとなっています。そのため、「契約を更新したい」と思っていても、再契約が保証されていないため、初めに契約した2~3年しか住み続けられません。
また、家が傷ついた場合の修繕費を元所有者である借主が負担することになっています。
対して、普通賃貸借契約は借主が「契約を更新したい」と申し出さえすれば多くの場合、更新が認められます。同じ家にずっと住み続けたいと思う方には、借りる側の権利が守られている普通賃貸借契約がおすすめです。
関連記事:【正直不動産】定期借家契約|リースバックで長く住むには普通借家契約
家賃を滞納しない
せっかくリースバックの契約を結べても、家賃を3か月以上も滞納したら契約が解除され、強制退去しなければなりません。住み慣れた家から退去にならないためにも、滞納しないようにしましょう。
それでも家賃を滞納してしまう方がいますが、それはリースバックの家賃自体が相場よりも割高な傾向にあることが影響していると言えます。
当然のことですが、住み続けるには家賃を支払い続けなければなりません。そのため、リースバックをしようと思っている方は、今後の経済状況をよく検討する必要があります。そのうえで、自分の身の丈に合った家賃に設定できるかどうかを業者選びの軸としましょう。
関連記事:【正直不動産】家賃滞納|リースバックの家賃が払えないとどうなる?
まとめ
リースバックとは、いったん自宅をリースバック業者に売却し、その物件を賃貸で借りて住み続ける不動産取引の仕方のことです。
「すぐに資金を得られる」「引っ越すことなく住み続けられる」「リバースモーゲージより制約が少ない」「将来的に買い戻せる」といったメリットだけでなく、「売却代金が仲介よりも安い」「家賃がかかる」「所有権を失う」といったデメリットもあります。
そのうえでリースバックをする際は、「普通賃貸借契約を結ぶべきであること」や「家賃を滞納しないこと」にも注意しましょう。
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